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お財布マメ知識

2023.08.30

ウィリアム・モリスは何をした人物なのか?

ウィリアム・モリスの肖像

「生活に必要なものこそ美しくあるべき」
ウィリアム・モリスは手仕事から生まれる商品の美しさや大切さを主張し、近代デザインに大きな影響を与えました。生活と芸術の統一を目指し、後に近代デザインの父と呼ばれるウィリアム・モリスは、どのようにしてその思想を育み、「アーツ・アンド・クラフツ運動」を主導するに至ったのでしょうか。

ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動

幼少期のウィリアム・モリス

19世紀イギリスを代表する思想家・詩人、そしてデザイナーでもあったWilliam Morris(ウィリアム・モリス)は、1834年にロンドン郊外のウォルサムストウで証券仲買人の子として中産階級の家庭に生まれました。
1840年にウッドフォード・ホールの大邸宅へ移り住んだモリスは、その屋敷の広大な庭と、それに続く美しいエピングの森の豊かな自然に囲まれて少年時代を過ごします。

HIRAMEKI.のモリスシリーズに使われているデザインもそうですが、壁紙やファブリックに見られるウィリアム・モリスのデザインには、自然界にある動植物をモチーフにした美しいテキスタイルパターンが多くあります。もしかすると、感受性豊かな幼少期に触れた原風景がルーツとなって彼の作品に影響しているのかもしれませんね。

芸術との出会い

やがてオックスフォード大学のエクセター・カレッジに入学したウィリアム・モリスは、後に「モリス・マーシャル・フォークナー商会」の共同設立者となる盟友、エドワード・バーン=ジョーンズと出会います。
当初は牧師のための教育を受けていたモリスでしたが、大学生活では中世の彩飾写本に熱中し、ジョーンズらと共にジョン・ラスキンの建築・絵画講演集を読むなど、芸術への興味と造詣を深めていったそうです。
やがて芸術家になることを決意したウィリアム・モリスは大学を卒業後、建築家ジョージ・エドモンド・ストリートの事務所に入り、フィリップ・ウェッブと知り合います。ウェッブもまた、ジョーンズと同じくモリス・マーシャル・フォークナー商会の共同設立者であり、商会設立のきっかけともなった「レッドハウス」の設計を手がけた人物です。

レッドハウス

結婚したウィリアム・モリスが妻のジェーン・バーデンと暮らした新居。赤レンガを使ったカントリーな外観が特徴的で、1859年イングランドのケント州に自宅兼事務所として建てられました。
モリスが構想したレッドハウスは、フィリップ・ウェッブが設計し、家具や内装をウィリアム・モリスと仲間たちが手がけたもので、この建設作業がきっかけとなり、仲間と共にモリス・マーシャル・フォークナー商会が設立されました。また、このレッドハウスは後の「アーツ・アンド・クラフツ運動」の原点ともなりました。

モリス商会

1861年に設立された「モリス・マーシャル・フォークナー商会」は、レッドハウスで手がけたような、家具やステンドグラスなどのデザインから制作を一貫して行い、丁寧で高品質な製品として知れ渡ることとなりました。
しかし、手作業で造られるそれらの製品は高価で、一般の人々には手が届かない物でもありました。その後、設立メンバーの脱退などもあり、1875年に単独経営の「モリス商会」として新たにスタートしたウィリアム・モリスは、壁紙や織物のテキスタイル制作を強化していきます。この活動もまた、当時の一般家庭向け室内装飾需要の高まりと共に拡大し、「アーツ・アンド・クラフツ運動」へと発展していくことになります。

アーツ・アンド・クラフツ運動

19世紀イギリスでは産業革命によって工業が発展し、機械化による安価な大量生産品が多くなりました。それにより必要なものを安く手に入れられるようにはなりましたが、一方で粗悪な商品が溢れ、それまで培われてきた伝統的な技術や手仕事の美しさが損なわれていきました。
そんな時代に手仕事の大切さを強く主張し、ウィリアム・モリスが主導した、生活と芸術の統一を目指した美術工芸運動が「アーツ・アンド・クラフツ運動」です。そして当時活躍していた、さまざまな分野の芸術家たちもこの思想に賛同。運動が世界へ広がって多くの人に影響を与え、現在にもつながっています。

HIRAMEKI.のものづくりも、この「アーツ・アンド・クラフツ運動」の思想に少なからず影響を受けています。日本の職人による丁寧な手仕事から生まれる財布やバッグなどのレザーアイテムにアートなデザインを融合させ、日々の生活に芸術を取り入れることで日常を幸せな気持ちで満たしたい。そんな想いを込めて、ものづくりを続けています。

▷HIRAMEKI.の想い

ウィリアム・モリスが最も美しいと称した村、バイブリー

ウィリアム・モリスが最も美しいと称した村、バイブリー ウィリアム・モリスが最も美しいと称した村、バイブリー
イギリスのコッツウォルズ地方にある小さな村で、14世紀に建てられた石造りのコテージが並び、まるで絵本の世界のような雰囲気があります。
村の中心に流れるコルン川は透明度が高い清純な川で、野生のカモや白鳥が水浴びをしています。
1650年創業の老舗「THE SWAN HOTEL」 マスの養殖場「バイブリー・トラウト・ファーム」
また1650年創業の老舗「THE SWAN HOTEL」や、イギリスで最も古い歴史を持つ、マスの養殖場「バイブリー・トラウト・ファーム」があり、新鮮なマスが売られています。そんな自然と歴史を感じられるバイブリーをウィリアム・モリスは「英国で最も美しい村」と称賛しました。

写真はHIRAMEKI.デザイナーのAO(アオ)が実際にバイブリーを訪れた際に撮影したもの。そこには確かに、ウィリアム・モリスが見て感じたであろう風景が息づいており、この旅で触れた様々な体験が、その後のデザインにも影響しています。

HIRAMEKI.オリジナルデザイン「バラの家」 HIRAMEKI.オリジナルデザイン「イングリッシュガーデン」

ウィリアム・モリスのデザインをレザーアイテムで楽しむ

壁紙やテキスタイルパターンを数多く手掛けたウィリアム・モリスは、それぞれどのような場所に使われるかを意識し、より美しく見えるようデザインしていました。
例えば、テキスタイルではカーテンなどに使われることを考え、歪んでもパターンが見やすいように形式的なデザインに、壁紙では平面的に張られることから、自然の不規則さも含むデザインが使われました。

レザーブランドHIRAMEKI.のモリスシリーズ

レザーブランドHIRAMEKI.のモリスシリーズ

HIRAMEKI.が展開するモリスシリーズは、ウィリアム・モリスの数あるパターンの中でも珍しい、天井壁紙のデザインを採用しています。このデザインを金属製の版に描き起こし、本革に型押しすることで財布などの革製品に仕立てています。

一人の日本人職人が一枚一枚手塗りで
濃淡を表現し、アンティークな風合いに仕上げた牛本革を使用

今回リニューアルした新しいモリスシリーズでは、一人の日本人職人が一枚一枚手塗りで濃淡を表現し、アンティークな風合いに仕上げた牛本革を使用しています。そこへ熱と圧力をかけて模様を型押しすることで、革に含まれるオイルや染料で自然な焼きムラが生まれ、一つとして同じものは無い、唯一無二の立体的な模様が浮かび上がります。

ウィリアム・モリスの天井壁紙を描き起こした金属製の版

革に型押しされた模様は、見る角度や光の当たり方によって表情を変え、自然の生み出す美しい余韻を感じさせます。

セント・ジェームズ宮殿のための天井壁紙

セント・ジェームズ宮殿のための天井壁紙

ロンドンで最も古いセント・ジェームズ宮殿の改装依頼をうけたモリスは、その宮殿の天井用の壁紙としてこの模様をデザインしました。上下が決まっている通常の壁紙とは違い、全方向から見ることが出来る特別なパターン模様です。

またこの模様は「トロンプルイユ(だまし絵)」デザインとも言われており、引きで見ると、ロンドンの宮殿に見られる漆喰製の豪華絢爛な天井レリーフのような立体的模様が浮かび上がります。

HIRAMEKI.のモリスシリーズでは、革に陰影を表現できる凹凸の型押しを施すことで、モリスの意匠が際立つようにデザインしています。

HIRAMEKI.のモリスアイテム(2023年7月現在)

新しいモリスシリーズは全4色展開。お財布は長財布からミニ財布、キャッシュレス財布など種類が豊富なので、ライフスタイルに合った形をお選びいただけます。
またキーケースやカードケースなど、普段使いはもちろん、お仕事でもお使いいただけるアイテムで、ウィリアム・モリスのデザインを楽しむことができます。

ウィリアム・モリス スリムガマグチ財布/アルビオンホワイトウィリアム・モリス L字ファスナーキーケース/クラシックパープル
ウィリアム・モリス フラグメントケース/グラスグリーンウィリアム・モリス 二つ折り財布(BOX小銭入れ)/ローズリーフ

▷モリスシリーズ アイテム一覧

ブランブル/ケイト・フォークナー

ウィリアム・モリスの作品ではありませんが、モリスと関係の深い人物ケイト・フォークナーのデザインアイテムもご紹介します。
ケイト・フォークナー「ブランブル」
ケイト・フォークナーはウィリアム・モリスが立ち上げた「モリス商会」の設立初期メンバーである、チャールズ・フォークナーの妹で、モリス商会の職人として、ファブリックへの刺繍、家具やタイル、陶器の絵付け、装飾石膏などの製作に注力していました。
そんな彼女が、4枚だけ残したという壁紙絵のうちの1枚がこちらの「ブランブル」です。

スリムガマグチ財布/ホワイトキャンバス/ブランブル 定期入れ パスケース/ホワイトキャンバス/ブランブル

イギリスの庭先に咲くキイチゴを描いた作品で、生け垣をうねりながら登っていく蔦と大きな棘からは力強い生命力を、葉の丸みや白い花のタッチからは、女性らしい優しさと気品を感じられるデザインです。

▷ホワイトキャンバス/ブランブル アイテム一覧

ウィリアム・モリスとHIRAMEKI.

今回はHIRAMEKI.の新しいモリスシリーズを紹介するにあたり、英国を代表するデザイナー、ウィリアム・モリスの歴史や思想について深掘りしてみました。
改めて考えてみると、HIRAMEKI.のブランドコンセプトや想いにも、実はモリスの「アート・アンド・クラフツ運動」に通じる考え方が息づいており、その影響を受けているということは新しい発見でした。

これからも手仕事による丁寧なものづくりを大切に、HIRAMEKI.のある日常が幸せな気持ちで満たされるような、そんなブランドであり続けたいと改めて感じました。

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