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アメリカ人画家
≪ジョン・シンガー・サージェント≫
（John Singer Sargent 1856-1925)
「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」
ジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半に活躍したアメリカ人画家です。フランス、イタリアで美術教育を受け、上流社交界の人々を描いた優雅な肖像画等の作品で知られています。
この作品は友人とその娘たちとイギリスで過ごした、夏の夕暮れ時を表現しており、少女二人が、カーネーションやヤマユリ、バラが咲き乱れる庭で、提灯に灯を点す様子が描かれています。
サージェントは、日が沈む前の独特の雰囲気を絵に残すため、翌年の夏まで２年越しで完成させたそうです。描かれた提灯からは、当時、日本的な伝統文化がヨーロッパで好まれ、広く流行を呼んでいたことがわかります。
-Designer's comment-
私と「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」との出会いは、ロンドンのテート・ギャラリーでした。 "逢魔時"という夕方の薄暗くなる昼と夜の移り変わる時刻に、この世のものではないものが現れるといわれていますが、この絵画からは、時の移り変わりの時間にしか見えない、神秘的な何かが描かれているように思います。
幻想的なミステリアスさ、花が咲き乱れ、香り立つようなこの庭が、この世ではないどこかにつながっている。そんな不思議な世界観に引かれたのだと思います。